街外れの古い劇場で続く、ホラー・ミュージカルの最終リハーサル。練習中に足を痛めた女優のアリシアは、演出家の目を盗み、女性スタッフと共に近隣の病院を訪ねる。だが、そこには連続殺人に手を染めた狂気の男が幽閉されていた。アリシアたちの車に身を潜めて病院を脱走した彼は、フクロウの仮面を被り、ナイフを手に舞台へと踊り出る。出口を施錠され、巨大な密室と化した劇場は今、血塗られた惨劇のステージへと変貌していく。
ダリオ・アルジェントの愛弟子ミケーレ・ソアヴィの鮮烈な劇場映画監督デビュー作。ドリルや斧、チェーンソーを駆使した残虐な殺人シーン、出口なきラビリンスに跋扈する殺人魔と、恐怖に身を震わせながら戦いを挑むヒロイン。イタリアン・ホラーの伝統を、瑞々しい感性と独自の美学で再生させた若きソアヴィの演出手腕が光る珠玉編だ。
○1986年イタリア映画(フィルミレイジ製作)
○日本公開1987年(配給:デラ=クラウンレコード)
1987年アボリアッツ・ファンタスティック映画祭 恐怖映画賞受賞
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