土星の第3衛星基地“サターン3”で、食料危機の研究を続ける科学者アダムとアレックスの前に一人の来訪者が現れる。ベンソン大尉と名乗る男は実は殺人者で、自分の脳髄と連結した新型高性能ロボット・ヘクターを用いて基地の乗っ取りを企てていた。大尉はアダムに高圧的な態度を取り、アレックスに露骨な欲望を示す。不穏な三角関係の軋轢が徐々に高まるなか、大尉の邪悪な意思と感情をコピーしたヘクターは密かに不気味な暗躍を始める。
『雨に唄えば』の名匠スタンリー・ドーネン監督が、『スター・ウォーズ』でアカデミー賞に輝くジョン・バリーの原案を基にSF映画に初挑戦。大物俳優カーク・ダグラスと人気スターのファラ・フォーセット、クセモノ役者ハーヴェイ・カイテルの異色共演に、巨大な人体骨格標本を思わす“ヘクター”を絡めてユニークな密室型サスペンスを醸成する。『サンダーバード』のITCが製作、創意溢れる特撮と映像美で贈るSFホラー大作だ。
○1980年イギリス映画(製作:ITC・フィルムズ)
○1980年日本公開作品(配給:東宝東和) |