米人推理作家ピーター・ニールはベストセラーとなった新作「暗闇」を携え、宣伝キャンペーンでローマを訪れる。だが、その来訪を待っていたかのように凄惨な連続殺人が発生。万引き常習犯の娼婦が、レズビアンの女性記者とその恋人が、鋭利な剃刀で喉を裂かれて惨殺される。猟奇的なその犯行手口は「暗闇」を模倣したもの。姿なき殺人者はピーターに脅迫状を送りつけ、血塗られた魔手を彼の身辺にも伸ばし始める。
イタリア恐怖映画界の巨匠ダリオ・アルジェントが自身のストーカー体験を基に発表したスタイリッシュ・ジャーロ。古都ローマの眩い陽光の下、妖艶なイタリア美女たちが次々と鮮やかな血の赤に染まっていく。人工美を追求した研ぎ澄まされた映像センスと、「サスペリア」のゴブリンが奏でるエレクトロニック・サウンドが、現代人の抱える不安の闇を拡げ、血の匂い漂う濃密な恐怖世界を創造している。
○1982年イタリア映画(製作:シグマ・チネマトグラフィカ)
○1983年日本公開作品(配給:日本ヘラルド映画) |