古い迷信と因習が色濃く残る南イタリアの田舎町アチェンドゥーラで、少年ばかりを狙う不可解な連続殺人が発生。容疑者となった女呪術師“マッキラー”は、怒りに燃える住人たちから壮絶なリンチを受けて惨死するが、再び残忍な殺人が繰り返される。事件の謎を追う記者マルテッリは、被害者と接触があったことで疑惑の目を向けられた金持ち娘パトリツィアと協力し、排他的な町で独自に真相究明に乗り出す。
『サンゲリア』『地獄の門』などのマカロニ・ゾンビ映画で黄金期を築いた残酷派ルチオ・フルチ監督が、南北イタリアの文化格差を背景に鋭い社会風刺を込めて放つ傑作ミステリー。“褐色のタイガー”と異名を取った個性派美女フロリンダ・ボルカンを筆頭に、トーマス・ミリアン、イレーネ・パパスら国際的スターが豪華競演。『世界残酷物語』『食人族』のリズ・オルトラーニが奏でる哀切のテーマ曲が、全編に炸裂する容赦ない残酷描写をいっそう際立たせる。
○1972年イタリア映画(製作:メデューサ・ディストリビューツィオーネ) |