何者かに強奪された8万ドルを取り戻すべく、ヒューストンの町を荒し回る冷酷非道な無法者クライン一味。恐怖に包まれたこの町に、家族を虐殺したクラインへの復讐を誓うメキシコ人ガンマン、ペコスが現れた。クラインが血眼で追う強奪犯の正体を偶然知ったペコスは、ダイナマイトと共に現金が隠された酒樽を持ち去る。クラインは人質を取って金の在り処を吐くようペコスに迫る。
俺の名かい?ペコスだ――「禿鷹のえさ」のロバート・ウッズ演じる主人公は巻頭早々、敵を早撃ちで仕留めて決めゼリフを呟く。従来の西部劇では脇役・悪役であったメキシカンをヒーローに抜擢し、度肝を抜く逆転の着想で喝采を浴びた痛快作だ。監督は続編「虐殺砦の群盗」も手がけたマウリツィオ・ルチディ。「真昼の用心棒」のラッロ・ゴーリが哀愁に満ちたギターで死の葬送曲を奏でる。
○1967年イタリア映画(製作:イタルチネ)
○1970年日本公開作品(配給:東和)
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